信楽焼とは

1200年前聖武天皇が信楽に遷都する時期が起源とされているくらい歴史は古く、日本六古窯の ひとつとされています。 山間深いその土地には、粘りのある良質の土がとれ、特に大物陶器を作るのに適しています。
食器類では、千利休が信楽利休とよばれる茶器を作らせたくらい、味わい深い陶器が焼き上がります。
土肌の温かみのあるうつわには、使えば使うほど、しっとりと馴染んできます。
「土もの」独特の味わいは、何千年、何万年も前から信楽の土地が育ててきた土から伝わる特別なものです。
歴史と伝統を、現在に受け継がれ続けている信楽焼。「土もの」の温かさとそこから伝わる歴史の重みがあります。

聖武天皇と紫香楽の宮

天平14年(742年)国家安寧を願って大仏建立を行うため、紫香楽の宮(しがらきのみや)の 造営が始められました。近年の発掘調査により、次々と木簡が発掘され、この信楽の地に紫香楽の 宮があったことが証明されています。わずか4年の短い期間でしたが、信楽に天皇遷都とする首都 があった歴史があります。

土もの

粘度の高い土で、粘りがあり荒く、土の匂いを感じさせられるもの。信楽周辺からは、蛙目粘土、 木節粘土など豊富な土壌が良質の粘土を作りだしています。
窯で焼かれた際に、新から出る灰が付着し、灰が高温で焼かれて出来る自然降灰釉ビードロ釉) や薪の灰に埋まったことにより黒褐色になる「こげ」など、炎が作り上げる景色をそのまま映すことのできる「土もの」 使えば使うほど、土が呼吸するかのように、しっとりと馴染んできて、より温かみのあるうつわへとなっていきます。